MacとOBSでゲーム動画を録画&ライブ配信する方法【 Machintoshでゲーム配信 】
ゲーム動画を録画・配信したりする時はWindowsを使うのが当たり前・・・と言われているけれど、あえて「Mac / マック」と無料動画配信ソフト「OBS」を使って、できるだけ美しくゲーム動画を録画&ライブ配信(YouTube)する方法を公開したいと思う。
私のようにMachintoshしか持ってないけど、なんとかMacだけでゲーム動画を録画したり、YouTubeなどでライブ配信してみたい人は是非参考にどうぞ♪
なお、上の動画では以下の説明内容を動画で紹介しているので、合わせて参考にしてみてね!
では早速、MacでOBSを使ったゲーム動画の録画&配信方法を説明していきたいと思う。まず前準備として、ゲームの映像と音声を取り込むキャプチャーボードをMacに接続して、MacにはOBSをインストールしよう。
ちなみに私がMacで使っているキャプチャーボードはI-O DATA のGV-US2C/HD。このキャプチャーボードは付属ソフトやファームウェアのアップデートにはWindowsが必要となるため対応OSがWinのみとなっているがMacでも利用可能。しかしちゃんとMac対応のキャプチャーボードを使いたい場合は、AVerMedia Live Gamer Portable 2 PLUS AVT-C878 PLUSがおすすめ。
なお、この紹介した2つのキャプチャーボードは、どちらもハードウェアエンコードモデル(キャプチャーボード内でエンコード)なのでMacのCPUの負担も少ないのでマシンスペックが低めでも動画取り込みができるのでおすすめだ。
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ではMacにキャプチャーボードを接続して、OBSのインストールも完了したところから開設を始めていきたいと思う。まずはOBSを立ち上げて、ウィンドウ右下にある「設定」をクリックして設定画面を開こう。
設定ウィンドウが開いたら、左の設定項目を上から順番に設定していきたい。まずは一般項目・・・だけど、ここはとりあえずは何も設定しなくてOK。
次はOBS設定の「配信」。ここではOBSの動画配信機能を使って、YouTubeなどのライブ配信を行う設定となる。YouTubeでライブ配信を行う場合は、ここのOBS設定は以下のように設定しよう。
サービス | YouTube - RTMP |
---|---|
サーバー | Primary YouTube ingest server |
ストリームキー | 自分のチャンネル専用のストリームキー |
ストリームキーはYouTubeの自分のライブ配信チャンネルから取得することができる。「ストリームキーを取得」をクリックすれば、YouTubeにログインしていれば自分のライブ配信ページに飛べる。なお、ライブ配信をやったことがない場合は、YouTubeにて初期設定を行う必要があり、設定から約24時間程度でライブ配信できるようになる。
配信設定の次は「出力」設定。出力モードが「基本」となっている場合は、まずはそこを「詳細」に変更しよう。出力設定には、配信、録画、音声、リプレイバッファの項目があるが、まずは配信の設定から行っていきたい。
配信設定にはいくつかの項目が用意されているが、それぞれ以下のように設定するのがおすすめ。
音声トラック | 6 |
---|---|
エンコーダ | アップル VT H264 ハードウェアエンコーダ |
出力をリスケール | 無し |
ビットレート | 3000 |
限界ビットレート | 無し |
キーフレーム間隔 | 2秒 |
プロファイル | main |
Bフレームを使用する | チェックを入れる |
音声トラックは、OBSは1〜6までのトラックを使用できるが、録音用のチャンネルとは分けて使用したいので、ここでは配信用トラックには6を設定している。
エンコーダは「アップル VT H264 ハードウェアエンコーダ」を設定しているが、Macで動画の録画を行う場合はこのMac専用のエンコーダを使うとCPUへの負担も少なく快適。また撮れる動画の画質もそこそこ良い。
またビットレートは「3000bps」としたが、Macのマシンスペックが高い場合はこのビットレートの数値を上げてやれば画質が良くなっていく(1280×720の解像度なら6000bpsもあれば十分)。しかし、スペックが足らないと配信動画がカクつくので、ここでは余裕を持って3000bpsを設定している。
配信の次は録画の設定。録画は以下の通りに設定していくのがおすすめだ。
種別 | 標準 |
---|---|
動画ファイルのパス | 任意 / 録画動画を保存したい場所を選択 |
スペースなしのファイル名 | どちらでも |
録画フォーマット | mp4 |
音声トラック | 1と2 |
エンコーダ | アップル VT H264 ハードウェアエンコーダ |
出力をリスケール | 無し |
カスタムマルチプレクサーの設定 | 無し |
ビットレート | 6000 |
限界ビットレート | 無し |
キーフレーム間隔 | 2秒 |
プロファイル | main |
Bフレームを使用する | チェックを入れる |
録画のフォーマットは「mp4」を設定しているが、録画したファイルをMacだけで利用する場合は互換性を考えずに「mov(macのみ利用可能)」にしても良い。またビットレートは6000bpsに設定しているが、マシンスペックが高ければここを8000bpsとかにしてもいいだろう。私のMacはCPU 2.7 GHz Intel Core i5(iMac2013モデル)、メモリ16GB、グラフィック Intel Iris Pro 1536 MBとなっているが、8000bpsだとカクつくので6000bpsに抑えている。
出力の設定は、この他に「音声」「リプレイバッファ」もあるが、それらはいじらなくてOK。リプレイバッファは、ライブ配信中にリプレイを行う機能となっているが、利用するとCPUへの負担も高くなるので、そのあたりはMacのマシンスペックと相談しよう。
出力設定の次は「音声」設定。音声設定は基本的にサンプリングレートを「44.1kHz」か「48kHz」に設定する(どちらを選択すればいいかは後述)のと、モニタリングデバイスを設定するだけ。あとはいじらなくてOKだ。
モニタリングデバイスは、OBSに取り込んだ音をライブで聴く(0.5秒ほどの遅延がある)機材を設定する。「規定」を選択すれば、Macのシステム環境設定で出力デバイスに設定している機材から音が出力される。
ちなみにOBSにはデスクトップ音声を取り込む設定もあるが、Macの場合は仮想オーディオデバイスをインストールしていない場合、ここは「無効」となって選択不可。もしもデスクトップ音も録音したい場合は、以下の記事を参考にしてほしい。
ゲーム情報 Macのシステム音(ブラウザからの音など)を録音する方法 Macはデフォルト状態では、ブラウザからの音などのシステム音を入力して録音する方法が存在しない。どうすればシステム音をMac自身に取り込んで録音することができるのか、その方法を紹介します。音声設定のサンプリングレートの選択は、自分のMacの「アプリケーション」>「ユーティリティ」>「Audio MIDI設定」を確認しよう。
Audio MIDI設定では、自分のMacに繋がっている各音声デバイスの設定が確認、調整できるが、その機材のフォーマットを確認すると「44.1kHz」もしくは「48kHz」に設定されているはず。もしも機材ごとにばらばらになっている場合はどちらかに統一したほうが良い。音質は44.1kHz、48kHzでは殆ど変わらず、映像業界では48kHzが一般的で、音楽業界は44.1kHzが一般的とのこと。まぁ・・好きな方を選ぼう。
私の場合は機材はすべて48kHzに統一しているので、OBSの音声設定も48kHzを設定した。
Mac版OBSの設定も大詰め。「映像」の設定に移ろう。映像設定は以下のように設定するのがおすすめ。
基本解像度 | 1920×1080 |
---|---|
出力解像度 | 1280×720 |
縮小フィルタ | バイキュービック法(初期設定) |
FPS | 30 |
基本解像度とはOBSのキャンバス(メインウィンドウの中央の部分)の大きさ。基本解像度と出力解像度を合わせてもいいのだが、ゲーム画面を配置したときに端に線のようなものが入って気持ち悪かったので初期設定である「1920×1080」にしておいた。FPSは1秒間のフレーム数で、PS4やPS5の場合は60FPS出るのでOBS設定でも高く60FPSに設定したくなるが、Nintendo Switchは30FPSしか出ないので、まぁ、録画や配信環境が重くなるのも嫌なので30FPSで良いと思う。
このほか、OBSにはホットキーの設定(オリジナルのショートカットが作れる)、詳細設定があるが、ここは特にいじらなくてもOKだ。
OBSの基本設定はこれで終了となる。まずはお疲れさまでした!
OBSの基本設定が終わったら、次は実際のゲーム映像や音声を入力していく「ソース」を追加していこう。ソースの追加は、OBSのウィンドウ下部のシーンの次にある「ソース」にて行う。
一番最初に追加するソースは「ゲーム映像」。ソースの区画にある「+」ボタンをクリックすると追加するソースの種類が現れるので「映像キャプチャデバイス」を選択しよう。
映像キャプチャデバイスを選択すると、そのソースの名前を決められる(後から変更も可能)ので適当に「ゲーム画面」などの名前を決めて「OK」を押そう。
名前が決まると、映像キャプチャデバイスのプロパティ設定ウィンドウが現れるので、以下のように設定しよう。
デバイス | 自分のキャプチャーデバイス |
---|---|
プリセットを使用 | あり |
プリセット | high |
バッファリングを使用する | なし |
なお、OBS設定でキャンバスサイズ(基本解像度)を1280×720に設定している場合は、プリセットは「high」ではなく「1280×720」でOKだ。
ゲーム映像は入力されたがこのままでは映像しか取り込まれていないので、次はゲーム音声を入力するために「音声入力キャプチャ」を追加しよう。映像キャプチャデバイスのときと同じくソースのところの「+」をクリックして「音声入力キャプチャ」を選択しよう。
映像キャプチャデバイスを選択すると、再びキャプチャソースの名前を入力するウィンドウが現れる。ここの名前もわかりやすいように「ゲームBGM / 音声」などと名前を入れて「OK」をクリックしよう。
音声入力キャプチャのプロパティウィンドウが開いたら、デバイス欄には自分のキャプチャボードを選択しよう。これでOBSにゲーム映像と音声が入力されることになる。
OBSでゲーム映像と音声だけを録画する場合は以上でソース設定は完了となるが、ゲーム実況などで自分の声をマイク音声で録音したい場合は、マイク音声ソースも追加する必要がある。
マイクソースを追加する場合も、ゲーム音声ソース追加のときと同じく、ソースの「+」をクリックして「音声入力キャプチャ」を選択し、プロパティ設定のデバイスで、自分のMacに繋がっているマイクを選択すればOK。iMacを使っている場合は内蔵マイクも利用可能で、その場合はデバイスは「Built-in Microphone」を選択しよう。
さて、このマイク音声であるが、そのままの状態で録音しようとすると、マイクが外のノイズ音などを拾ってしまい残念なことになってしまう。そこでマイク音声ソースにフィルタをかけて、できるだけノイズ音を低減して、クリアな音を録音できるようにしたい。
音源ソースにフィルタをかける方法は、フィルターをかけたいソースを「control+クリック」してサブメニューを表示させ「フィルタ」を選択。フィルターウィンドウが現れたら、「+」ボタンを押して、以下のような順番で各フィルターを掛けていこう。
順番 | フィルター名 | 項目 | 設定 |
---|---|---|---|
1 | ノイズ抑制 | 方式 | RNNoise(より高品質) |
2 | ゲイン | ゲイン | 10.00〜20.00dB(適当) |
3 | ノイズゲート | 閉鎖閾値 | -47.00dB |
開放閾値 | -48.00dB | ||
その他 | 変更なし | ||
4 | コンプレッサー | すべて | 変更なし |
各フィルターはどんな効果があるかというと、ノイズ抑制はそのままノイズの抑制を、ゲインは入ってきた音声を拡張(音を大きくする)させ、ノイズゲートは開放閾値以上の音が入ってくると録音開始となり、音が閉鎖閾値以下となると音をシャットアウトさせる機能を持っている。また最後のコンプレッサーは、音を圧縮させる役割のあるフィルターで必要以上に大きな音が入ってきても圧縮されることで適度な音量に圧縮され、また音質も圧縮されることで聞き取りやすくなる効果がある。
これで、マイクから入ってきた音をノイズ抑制してノイズを減らし、マイクの音量は基本的に小さいのでゲインで音量を上げ、さらに必要の無い小さな音をノイズゲートで除去し、最後のコンプレッサーで音質を安定させ聞こえやすくさせている、というわけだ。なお、フィルターは掛ける順番も大事なのでこの順番でかけていこう。
ゲーム映像、ゲーム音声、マイクのソース追加設定はこれで完了となるが、最後に各音源のトラック設定とバランス調整を行おう。
まずはOBSの「音声ミキサー」の各音源のボリューム調整横にある歯車をクリックしてメニューを表示。そこから「オーディオの詳細プロパティ」を選択しよう。
オーディオの詳細プロパティのウィンドウが開いたら、まずはゲーム音源、マイクのところの音声モニタリングのところを「モニターオフ」から「モニターと出力」に変更しよう。すると、ゲーム音源とマイクからの音が初期設定でモニタリングデバイスに設定した機材から出力される。ただ、このモニター音声は0.5秒ぐらいの遅延が生じているので、気になる場合は、音のバランス調整後に、音声モニタリングを再び「モニターオフ」にして音を消して、ゲーム機からの音源でゲームをする、もしくは以下の方法で遅延なしで音を出力させれば良い。
ゲーム情報 MACの入力音を遅延無しで出力して聴く方法【ゲームライブ実況】 キャプチャーボードやマイクなどでMacに入力した音を、遅延無しで出力して聴く(聞く)方法を紹介。この方法を知っていれば、Macを使ったゲームのライブ実況配信も可能になるので便利だ。また、各音源のトラックは以下のような設定すると良い。
トラック | ゲーム音声 | マイク音 |
---|---|---|
1 | ○ | - |
2 | - | ○ |
3 | - | - |
4 | - | - |
5 | - | - |
6 | ○ | ○ |
最初の設定で録音用にトラック1と2、配信用にトラック6を選択していたのを思い出してほしい。こうしてゲーム音声にトラック1と6、マイク音にトラック2と6を割り当てることで、配信時(トラック6を出力)にはどちらの音も出力され、録画の時はトラック1にゲーム音声が録音、トラック2にはマイク音が録音される。また、この設定にしておけば録画と配信のトラックを分けているので、ライブ配信しながらマルチトラック録画もできる。
録画の際は、ゲーム音とマイク音が別々に録音されるので、マルチトラック対応の編集ソフト(QuickTimePlayerはマルチトラック非対応)を使えば、マイク音を後で編集したりできるのでとても便利だ。
詳細プロパティ設定が終わったら「オーディオの詳細プロパティ」ウィンドウを閉じて、マイクで実際に声を出しながら、ゲーム音源とマイク音声の大きさのバランスを調整していこう。もしも「ちょっと大きいな」とか「小さいな」と思ったら、音声ミキサーの音量バーを左右に調整しながら良いバランスにしよう。
なお、この音のバランス調整は、ゲームの録画のみの場合は各音源でトラックを分けて保存しているのでバランス調整をする必要は無い。
これでOBSの必要な設定は完了。実際にゲーム動画を録画してみよう。録画する方法はとても簡単で、OBSの右下メニューから「録画開始」をクリックするだけ。一時停止したい時は録画停止ボタン横の「II / 一時停止ボタン」をクリック。一時停止時にもう一度「II」を押せば録画再開となる。また録画終了は「録画終了」ボタンをクリックするだけ。簡単だ。録画ファイルは最初の出力設定(録画)で設定したパスのところに保存される。
また、Mac OBSを使ってライブ配信も簡単。例えばYouTube ライブ配信したいときは、YouTubeの自分のチャンネルのライブ配信ページをスタンバイ状態にしておいて、OBSで「配信開始」ボタンを押すだけ。これでライブ配信が始まる。ただしYouTubeの場合だと、OBSとYouTubeの映像には5〜10秒程度の遅延が生じるので、ライブ配信の状況をチェックする場合は、YouTubeのページではなくOBSをチェックするほうが良いだろう。
以上がMacのOBSを使ったゲーム動画の録画方法とライブ配信方法だ。ゲーム動画を配信したり録画する時はWindowsが主流で、なかなかMacを使ってのゲーム配信方法の情報が少ないので諦めてしまうことも多いとは思うが、Macでもゲーム配信&録画は可能なので、頑張ってOBSを使いこなしてゲーム実況などをみんなで楽しもう♪